Dear, My Friend.
さっきは少し失礼なことを言ってしまって
怒っているかな？
でも、あなたなら、そんなこと気にしないで
笑い飛ばしてくれると思ったんだけどね。
つまんないことを引け目に思う必要はないと思うよ。
だって、何より、今のあなたが、いちばん あなたらしいから。
今のあなたが、今までで いちばん 輝いていると僕は思う。
少なくとも、
一時的な淋しさを埋めるために簡単に誰とでもくっつく女や、
人の稼ぎをあてにして 毎日ヒマを持て余しているような女より
数万倍も輝いていると、僕は思う。
あなたは好きで、その仕事を続けてるんだよね。
そりゃあ、イイ男がいれば結婚して…とは
思ってるんだろうけど。
それでいいんじゃない？
無理に相手を探すことはないよ。
周りの連中は ひやかすかもしれないけど、
あなたはクリスマスケーキなんかじゃない。
25日を過ぎても、年を越しても、
いや、一年じゅういつでも 行列のできる、
一流パティシエが作ったケーキだ。
それが 年内に間に合わなかっただけ。(笑)
でも、デコレーションで ごまかして
早いとこ売っちゃおうなんて思わないところが いいね。
あなたが店頭に出る時、きっと、
男たちは みんな 列を作って 迎えに来るよ。
でも、その時、あなたは もう、売り物なんかじゃない。
あなたのほうが“客”を選べるんだから。
痛快だね。
だから、ケーキづくりは途中でヤメちゃいけないんだ。
完成するまで続けなきゃいけないんだよ。
あわてて失敗しないでね。
でも失敗したら、また作り直せば いいじゃないか。
人生は長い。
あんまり早く完成しちゃうと、その後が つまんないよ。
あー、もっと ゆっくり作っても よかったかな、って――。
できた後のケーキも大事だけど、
人生という名の、一生に一度だけしか作れないケーキは
その作製過程も大事なんだよ。
終わってしまったケーキづくりは
２度はやる必要はないから――。
ところで、あなたが店頭に並ぶ時、僕もきっと駆けつけるから、
もしよかったら、選考の中に入れてくださいな。(笑)
それまで、ずっと見守っています。
〜愛すべき“old女子部”と“single婦人部”へ、
独身壮年部より。